そんな溜め息が原因で、優と雪兎の

お互い「バカ」という言い合いが始まる。


そんな2人を見て、麻子さんがそっと俺の方に顔を近づけて

声を掛けてきた。

「わぁ、貴重。こんなムキになる雪兎君、初めて見た。」

「俺も。こんなイキイキとした優、はじめてかも。」

監視の為だと、優は言っていたけど

そこに何か、違う感情があるんじゃないかと少し不安になる。


「「そこっ!全部聞こえてる(んだから。)」」


2人揃って睨むから、俺達は思わず同じポーズをしてしまった。

「うわっ。」

「えっ?」


「「あ・・・。」」

俺は麻子さんと顔を見合わせて、クスクスと笑い合った。