チュッ、と福本くんの唇が私の頬に触れた。

「…?!?!」

声にならない声を上げる。

「じゃ、またね」

福本くんは、そんな私を見てクスッと笑うと、黄色と青のペンキを持って美術室を去った。

その場に取り残される私。

「……今の、誰?」

私の声が、誰もいない美術室に響いた。