「うまそ~、何パン?」

「橘くん」

声をかけてきたのは、同じクラスの橘大輔くん。

サッカー部の爽やかなイケメン。

優しくて、女の子にすごくモテる。

「グラタンパン♪おいしいよっ」

ニコっと笑うと、橘くんは顔を赤くした。

「?どうしたの?」

「いや、何でもない!…ちょっとちょうだい」

と、橘くんはパンを一口かじって、友達のところへ戻っていった。

これって、間接キス…?

私は、じっとパンを見つめる。