幸せまでの距離


ポンポンと話を交わすメグルとショウマ。

簡単に自己紹介をし合い、赤外線通信でケータイの番号まで交換しあう2人を見て、リクは腕組みをした。

“ショウマって、やけにメイの話題に突っ込むよなぁ……。

メグルちゃんとは初対面なのに、メイの時とは大違いな態度だし、もうこんなに打ち解けてる……。

っていうか、メイの時みたいに、メグルちゃんにまで変なこと言わないでよー?”

不安を覚えたリクがそう祈ったそばから、ショウマは爆弾発言をした。

「メグルちゃんってさ、メイちゃんと仲良くできた?

俺はさっき初めてメイちゃんに会ったばっかりなんだけど、なぜか嫌われてるみたいで……。

リクの好きな子なのに、複雑だなぁ……」

それまで陽気な顔つきでショウマに接していたメグルの動きがとまる。

どんな人とでもサバサバした付き合いを好むメグルにも、ショウマの一言は衝撃的過ぎたのか。

リクは、音の無い振動が空気を凍らせたような錯覚をした。

「ちょっ、ショウマ……」

もう我慢できない。