幸せまでの距離


メグルは居酒屋での勤務中。

店長に商店街での買い出しを頼まれたついでに、駅周辺で店のクーポンを配り歩いていたそうだ。

メグルは店の中と同じ、黒系統のバンダナとTシャツ、エプロン、パンツ姿で、

「リク君も、今日、入学式だったんだねっ。

その子は友達?」

と、長身のショウマを見上げた。

リクは久しぶりにメグルと会って、ショウマとのやり取りで感じていた気疲れが癒されるのを感じた。

「『ショウマ』でいいよ。

リクとは入学式で隣になって。

……もしかして、この子もリクの彼女?」

「違うっ! どうしたらそうなるの!」

予想を超えたショウマのボケに、リクはすかさず突っ込んだ。

メグルは「ショウマ君ウケるー!」と、大笑いしている。