だんまりなメイに続き、ミズキとマナは星崎家に到着した。
これからマナは、ミズキと一緒にゼミの課題をやる約束をしている。
音楽がもたらすヒーリング効果について、来週のゼミで簡単な論文を提出しなければならない。
この論文の出来は単位の付与にも影響するらしく、マナとミズキが所属するゼミの担当をしている教授にダメ出しされたら、単位取得は厳しくなる。
「マナは音楽やってたし、分からないところ聞いちゃうかも」
「うん、私でわかることなら」
マナははにかみ笑顔でミズキの部屋に入り、まっさらなテーブルについた。
二人は各自、ゼミでもらった関係資料と、図書館でかりてきた本を広げる。
メイは出入口に佇んだまま、二人がテーブルの上に広げている書類と、調査用にかりたCDの束を見つめる。
「メイ。着替えたら、ここに来なよ。
論文終わるまでは、あまり話せないけど」
ミズキはスーツ姿のメイに、ここへ居ていいと言った。
「私はいい……。
頑張って」
それだけ言い、メイはミズキの部屋を後にする。


