菜月の提案で、4人は駅前のファミレスで昼食をとった。
その後、菜月だけ先に帰宅するという形で、メイはリク·ショウマペアと行動を共にすることにした。
「俺まで、ありがとうございます」
ショウマは初対面の菜月相手に頭を下げる。
リクも、ファミレスでの食事代を全額出してくれたメイの母にお礼を言った。
菜月は朗らかな顔で、
「そんなこと気にしないで。こうして食事ができて嬉しいわ。
ぜひまた、家にも来てちょうだいね。
絶対ミズキも喜ぶわ。ね? メイ」
メイは、いまだに慣れない《家族の一員扱い》に気恥ずかしさを感じたが、それを無表情の中に隠し、
「どっちでもいい。来たかったら来れば?」
と、無愛想な言葉をリクとショウマに投げる。
菜月は慈愛に満ちた顔でメイの頭に手をのせると、
「お友達は大切にしなきゃダメでしょう?」
と、優しい声でメイをたしなめ、リクとショウマに、メイには悪気がないことを説明した。
ショウマはメイの一挙手一投足におっかなびっくりしていたが、リクは全く動じない。
その証拠に、爽やかな表情で、
「わかってます。また、お邪魔しますね」
と、菜月に言った。