幸せまでの距離


リクの言葉を嬉しく思いながらも、メイ はまだ、見捨てられる不安を捨てられな かった。

「こっちはまだ、マシな方だから。背中 なんて、自分でも見えないからどうなっ てるか分からない……。

見たら、引くかもよ」

「じゃあ、見せて?」

うつむくメイの顔をのぞきこむリク。彼 は、いたって穏やかだった。

メイは小さくうなずき、おそるおそる パーカーを脱いだ。

強い日射しを受けた彼女の皮膚には、傷 の凹凸(おうとつ)によりまだらな影が できている。

「…………」

無言のまま、メイは唇をかみしめた。こ わくて、リクの顔を見ることができな い。視線は消極的に下を向く。


「ありがとう、メイ」

リクは、メイを抱きしめ言った。

「俺に、態度で示すキッカケをくれて、 ありがとう。

心を見せてくれて、ありがとう。

嬉しい。今、すごく…!」