幸せまでの距離


“信じるって決めたのに、やっぱりこわ い…!”

メイは立ち止まった。

水着姿なんて、やっぱり見せられない。

メイが来た道を戻ろうとした時、彼女の 背後でリクが叫んだ。

「こっちは準備万端!

暑いし、メイもこっち来て?」

「……」

硬直したまま動けなくなったメイの元に 駆け寄り、リクは言った。

「メイの髪、光に当たって綺麗な色して る。ずっと、思ってた」

上半身を包むようにメイの長い髪が広が り、太陽光を浴びている。

あらかじめ服の下に着てきたのか、リク はもう海水浴できるような身なりだ。


「……変なら変って、言えばいい」

心と反対のことを言い、メイは腕組みを した。

パーカーの隙間から明らかになった胸元 にも、複数の傷痕。

長年メイが隠してきた、誰にも見せてこ なかったもの。

「綺麗だよ、メイ。

汚くないし、変でもない」

リクは言い、怯えるメイの背中をなで た。

今まででいちばん、リクの体温が伝わっ た瞬間。