大学の入学式を終えたリクとショウマは、メイの専門学校へ向かっていた。
N大学からメイの通う専門学校までは、国鉄を1駅分移動すれば行ける。
大学を後にし、雑多な街道を通り抜け、メイの専門学校が見えるマンション前の道に来たところで、ショウマはメイを探し始めた。
「メイちゃんって、もしかしてあの子?」
ここまで歩いて来る間にリクから聞いていたメイの特徴を元に、ショウマは2つの人影を指さす。
探すまでもなく、メイの姿はアッサリ見つかった。
菜月と共に校門を出ようとしているところである。
「うん。あの子がメイだよ」
リクはショウマにうなずき返す。
「あれ、リク君じゃない?
お友達も一緒かしら」
先にリクとショウマの姿に気付いた菜月が、メイの肩をつついて彼らの方を向く。
メイはそこで初めて、入学式の後にリクと会う約束をしていたことを思い出した。
リクは菜月に挨拶し、シレッとそっぽを向くメイに近付くと、
「その顔は……。まさか忘れてたんじゃないだろな?」
と、意地悪な顔でメイの頬をつつく。
素直に謝れないメイは、黙ってされるがままになっている。
ショウマと菜月は、微笑ましげな二人の様子を見て笑んだ。