幸せまでの距離


「ありがとう、メイ」

手紙を手にしたまま、リクはうつむき加 減で言った。

「やっと、メイの心に触れた気がする」

顔を上げ、リクはまっすぐメイを見つめ た。

「ずっと、好きだった。助けたい、近づ きたい、理解したい、そんな想いでいっ ぱいだった。

メイの前には、いつも、透明の幕がある みたいだった。

でも、それが、無くなった気がす る…!」

「幕、か……。そうかも。踏み込まれる のが、怖かった」

「どんな風に、怖かったの?」

「いちばんは、やっぱり、嫌われて拒否 されること。

今まで、いろんな人に嫌われてきた。振 り返ってみると納得できることもあるけ ど、考えても分からないこともある。

特に、性別の違いが大きな壁だった。私 にとっては……」

「嫌わない。どんなメイを見ても」

テーブル越しに向かい合う二人。

メイの方に手を伸ばし、リクは彼女の細 い指先を柔らかくにぎった。

「お互いに、深い部分を見せ合えば見せ 合うほど、嫌な部分が見つかったりする と思う。同性同士の友情だって、そうな んだから。

でも、そのたびに話し合って、良くなる ように調整していこ?

メイのこと、嫌いにならない。

メイが見せてくれる心ひとつひとつ、受 け止めていく気でいるから」

「態度で示して? 言葉だけじゃ、はか な過ぎる……」

メイは不安げに目を伏せ、自分の体を両 手で抱きしめた。

「こわい……。独りになるのは嫌……」

リクはしばらく考えてから、ある提案を した。