書き終わると同時に、インターホンの音 が響いた。誰かがやってきたらしい。
気付くと、もう昼を過ぎていた。
今の時期、メイやミズキにとっては夏休 み中。よって、いつもならミズキが玄関 に向かい来訪者の対応をするのだが、ミ ズキは昨日からサークルの合宿に臨んで いるので今はいない。菜月もパートで働 きに出ている。
仕方なく、メイはおもむろな足取りで玄 関の扉を開けた。
「こんにちは。夏休み中にごめんね」
そう言い、現れたのは、親猫シェルの元 飼い主・今井智弘と、妻のマユミだっ た。
今井夫妻は、メイが白猫の飼い主になっ て以来、月に一度、星崎家の庭にある シェルの墓に手を合わせに来ていた。
しかし、今日の訪問は予定にないこと で、メイはやや驚いていた。
前回、今井夫妻がシェルの墓参りに訪れ たのは3週間前。いつものペースなら、 一週間後の訪問でも良かったはずなので ある。
今井夫妻は、シェルの墓に手を合わせた 後、リビングで、メイの淹れた紅茶を口 にした。
出会いが出会いだっただけに、メイは今 井夫妻に敬語を使わず、「いつもより、 来るの早かったね」と、淡々とした口調 で言った。
智弘は、シェルの件でいまだに罪悪感が あるようで、メイに対してぎこちない空 気を放ち、「そうだね……」としか言わ ない。
見かねたマユミが、口を開いた。
「メイちゃんに、いち早く聞いてもらい たいことがあったの」


