リクに対する恋愛感情を自覚した今で も、心の底にうずまく嫌悪感は消えてい ない。
「リクに対してだけじゃない。
関わる人全員に、どうしようもなく悪意 を持つことがある……。
昔から、親のような人間にだけはなりた くないと思って、自分なりに気をつけて たんだ」
唇を震わせ、メイは言った。
「今、やっと、親の勝手から逃げられ て、自分の夢見つけて、このままなら、 嫌な自分は消えるかもしれないって期待 した。
でも、油断するともうひとりの自分が出 てきて、全部を壊そうとするんだ……。
いま関わってる人との関係とか、夢のた めに勉強してることとか、全部全部、壊 れてしまえ!って、暴走しそうにな る……!」
まるで、自分の中に、実の母親が……翔 子が存在しているようで……。
メイは、口をつぐみ自分の右手首を左手 で強くにぎりしめた。
「今の自分を変えて、こんな心境をどう にかしたいってのも本当だけど、いっそ 滅茶苦茶になって堕(お)ちるとこまで 堕ちてやろうかと思う瞬間が、何度もあ る……」
こわい。こんな自分が。
いつ破壊行動に出るか分からない、自分 自身が――。
メイは、自分の内面におびえ、それに向 き合った。


