テーブル席。向かいではなく、ショウマ の隣に座り、リクは前のめりになった。
「ウチの親、俺の私生活には興味なさそ うにしてたのに、最近になって、色々ケ チつけてくるようになってさ」
ショウマは、ここのところ自分の身に起 きていた家族との出来事を話し始めた。
「前にも話したけど、俺は家の中で孤立 してた。山本さんだけが唯一の理解者 で、話を聞いてくれるただ一人の大人。
こっち来ても仲良くしてたけど、山本さ んって、なぜかケータイ番号とか個人的 な連絡先を教えてくれなくて。それがな んでなのかも、わかった。
山本さん、俺の本当の父親なんだっ て……」
連休中、ショウマは、義理の父親から山 本氏の正体を聞かされ本当のことを知っ た。
ショウマの人間関係に無関心だった彼の 家族。ただ、ショウマの母親だけは、内 心、ショウマとの関係を修復したいと考 えていたらしく、ショウマが大学に入っ てから、彼のアパートに訪ねようとして いた。
母親は、そこで偶然、自分より早くア パートに訪ねていた山本の姿を見つけて しまった。彼女は青ざめたという。
それ以来、母親は毎日のようにショウマ へメールを送り、山本とは関わるなと言 い続けた。
母親の動向に気づいた父親は、まくし立 てるようにショウマに電話をし、『養っ てやった恩を忘れて実の父親と仲良くし てるらしいな!?』と責めた。それが、 メイとリクがそばにいた時の話。
「だから、あの時イラついてたんだね」
リクは物憂げにつぶやく。
「そ。今まで無関心だったクセに、自分 の都合でこっちの交友関係に首突っ込ん でくるからウザくて」
うっぷんを晴らすようにそう言うと、 ショウマは片手で頬杖をついた。
「確認したら、山本さんも認めてくれた よ。
一生、陰ながら俺のこと見守っていくつ もりだったって。連絡先交換しなかった のは、これ以上俺が家庭内で孤立しない ためだったって。
父親だってこと黙っててごめん、騙すつ もりはなかった、俺と仲良くできるだけで楽 しかったって、泣いてた……。
山本さんが謝ることないのに。みんな、 母親のせいなんだから」


