ショウマの声は落ち着きを失っている。 かといって、暗くもなかった。
『連休明け、リクに話さなきゃならない ことがある。
……大事な話』
「わかった……」
『とりあえず、それだけ。じゃあ、また な』
それだけ告げられ、電話は切られた。
「なんだったんだろ……」
ケータイをしまい、首をかしげるリク。 胸騒ぎがした。
――――ゴールデンウィーク明けの、よ く晴れた日。
リクは、胸騒ぎのワケを知ることにな る。
色々あった連休も、過ぎてみるとあっと いう間に終わってしまったと感じる。
メイは、ゴールデンウィーク前半に行わ れたスイーツ販売イベントの振り替え休 日で、今日と明日は休みだそうだ。彼女 に《久しぶりに学校行ってくる》とメー ルを送り、リクは自宅を後にした。
本日は幸い、一限目の授業はない。
待ち合わせはしていないが、早めに大学 に向かえばショウマに会えるような気が して、リクは足早に電車に乗った。
軽く汗ばむシャツを不愉快に感じつつ、 この季節だから仕方ないかと思っている と、やや空いた車内に冷房の風を感じ た。
“もうすぐ、夏かぁ”
自分を含め、薄着をしている周囲の乗客 を見て、リクは考える。
“ショウマも、実家の家族といろいろあ るみたいだけど、夏休みはみんなで楽し めるといいな。
シュン君の誕生日会も参加できなかった し、ショウマって、イベント事好きみた いだし”
ひそかにそんなことを考えていたからこ そ、後にショウマから告げられる決意 は、リクに衝撃を与えたのだった。
大学に着くと、ますます暑く感じた。真 夏なみに照りつける太陽のせいである。
リクは、迷うことなく、まっすぐ学内の カフェに向かった。空調が整っているこ とを期待して。


