幸せまでの距離


18歳の今、自分は、体を売って大金を稼 ぐ道を選んだ。トウマの助けになりた かったとはいえ、それを決めたのは自 分。

トウマのための風俗。自分の夢を叶える ための枕営業。自分にとって幸せなのは どちらの選択だったのだろう。

考えてみても仕方のないことだが、カナ デの気持ちは決まっていた。

トウマと付き合ったことに後悔はない。

あんなひどい終わり方をしたのだ。将 来、トウマとの出来事は消したい過去に なってしまうかもしれないけれど、トウ マの夢が叶って喜ぶ自分も、たしかに存 在する。

“枕営業が良いことか悪いことか、なん て、私には分からない。でも、トウマの 気持ちも分かる気がする……”

人生をかけた大切な夢を前にしたら、人 は手段を選ばなくなる生き物かもしれな い。

トウマを養うために風俗の世界に飛び込 んだ自分を振り返り、カナデはそんな結 論を導きだしたのだった。