それすら吹き飛ぶほど、臍の緒は自分の 存在価値を高めてくれた。
環境がどうであれ、生まれてきたの は事 実。
両親とは絶縁してしまったが、この 世に 生まれてくることを望まれたの は本当。
親も人間なのだなと、メイはようや く受 け入れることができた。
“私に感情があるように、翔子や保 にも 事情があり、好き嫌いがあっ た。
ただ、それだけだ……”
執着は、自分を苦しめ、許してくれ な い。
メイは、ありのままを受け入れるこ と で、ようやく自分の過去や存在を 許せ た。
幸せへの欲求を持つ。
できることから、少しずつ 。


