幸せまでの距離


保と話し終え、山梨市駅から八王子に戻 る頃には、午後9時を過ぎていた。

今日中に長崎まで帰るのは無理なので、 二人は、近くのビジネスホテルに泊まら なければならなくなった。

リクとしてはメイと同じ部屋に泊まりた かったのだが、メイの希望で、二人は 別々の部屋を取ることになった。

客が少なかったのか、隣同士に部屋を取 ることができた。


「ひとりで大丈夫?

眠れなかったら、いつでも来ていいか ら」

部屋に入る寸前まで、リクはそんな心配 をしていた。

「もうガキじゃないんだから」

メイはそう答え、あっさり部屋に入って いった。

リクは名残惜しい気分で自分の部屋に入 り、ひとりがけソファーに座る。

今までメイと一緒にいたからか、自分一 人の空間は、狭い室内でもやけに広く感 じた。