幸せまでの距離


「私は、自分の治療をする。

もう、過去に縛られたくない」

メイは決めていた。

ミズキの通う大学の笹原教授。

彼のカウンセリングを受けることを。

心の治療を、する。

いま自分に必要なのは、それだと判断し た。


前だったら、こんな風に思えなかった。

自分を大切にすることの意味が、ようや くわかり始めたメイである。


リクはゆっくりうなずき、

「そうだな、それも大事なことだ。

その時は、俺もついていっていい?」

「うん」

口には出せなかったが、メイは、リクと ここへ来て良かったと感じた。

リクもまた、メイが少しでも前に進めた のなら、ここへ来た意味は大きいと思え た。