「メイ……!」
悲しげに顔を歪ませる保に、メイは告げ た。
「アンタと私は他人。そう思うことにし た」
でないと、メイの心は潰れてしまう。
また、男の涙を信じないというのも、彼 女の本音だった。
「男はその場の感情ですぐに泣く。
本当に悪いと思って反省してるなら、痛 くてもつらくても、顔に出さずに耐えな よ」
メイはこう考える。
これまで、様々な女性の泣き顔を見てき た。
メグルやカナデ。清やミズキの涙。
女性は強い。
耐えて耐えて、ストレスや悲しみが最高 潮に達した時にようやく泣くのが、女性 である。
男性の涙には、そういう真摯(しんし) さを感じられないのだ。
また、保との間にある溝は、一生埋まら ないのだと気付いた。
会ったら何かが変わると思っていたけれ ど、変わるのは和解した場合だけ。
それ以外は、憎しみ合うか、避け合う か。
どちらにせよ好転はしない。
あやふやなまま放置され、時が流れ、記 憶から薄れるだけ。
保の件はそれでいいと、メイは思った。


