幸せまでの距離


メイが考えを巡らせていると、とうと う、保と対面する時がやってきた。

近くに行かないと相手の顔をはっきり認 識できないくらい辺りが暗くなった頃、

「メイ…!」

リクの声が響いた。

ふたつの長い影。

リクの後ろに、保がいる。

外灯が、深刻な表情をした男性二人を照 らした。

それとは逆に、メイは無表情ながらも 清々しい気持ちで一杯だった。


保は泣き腫らした目でメイに近付き、

「大きくなったな、メイ」

今にも泣き出しそうな顔で、保はメイを 見つめた。

メイは伏し目で、「久しぶり……」そう 返すのがやっとである。

久しぶりに再会した親子は、互いの外見 を見て、離れている間にどれだけ多くの 時間が流れたのかを思い知った。

加齢による外見の変化はありながらも、 幸せな日常を暮らしている有様は、保の 顔つきから容易に見て取れた。

“この人はいま、幸せなんだ”

心の中で、メイは無感情にささやいた。