幸せまでの距離


出来事を語った直後、カナデは糸が切れ たように泣き出した。

病室の外にも聞こえるほど、大きな声を 出して。

しばらく泣いて気持ちが落ち着いたの か、カナデはしゃくりあげながら、

「……もう、トウマがいないなら生きて る意味ないって思ったのに。

ここで目が覚めた時、生きてることに ホッとする自分もいた……。

何を頼りに生きたらいいかなんて、分か らないのに……!

トウマのいない人生なんて、生きてたっ て仕方ないのにさ!」

「表面上なんて言ってようが、アンタは 生きたいんだよ。

……死ぬなら、私の方が先だと思ってた し」

「え……?」

静かなメイの発言に、カナデは涙をこぼ しつつ目をみはる。

「アンタがこうなるまで、私は自分の価 値がよく分からなかった。

だから感謝する。


関わってたヤツからあんなメールもらっ たら、助けたいって感じてしまう。

私らしくないと思った。

けど、アンタからのメールには色んなこ とに対する未練がにじみ出てたし、『生 きたいのに無理矢理死ぬよ』ってメッ セージに見えた。

心底死にたかったら、誰にも何も言わ ず、ひとりで黙って死ぬだろ。違 う……?」