メイから視線を外し、仰向けのままカナ デは両手でシーツをにぎりしめた。
「トウマがあの女と付き合ってたって 知ってから、いつかこんな日が来るん じゃないかって、こわかった。
でも、『そんなわけない、トウマはそん な人じゃない』って、すがる気持ちも あった」
「……メグル、か……」
「……あの女が現れてから、トウマは変 わった。
ううん……。元々、私は愛されてなんか いなかったんだよね。
『性奴隷』『ATM』『最初から金目的 で近づいた』
……そう言われたよ」
話すカナデの唇は、青白く震えている。
メイはヒザの上に置いた両手を強くにぎ りしめた。
「信じられなかった。
最近トウマから連絡がなくておかしいと は思ったけど、お金を貸す前の関係と思 い出を頼りに、今までやってきた。
メイちゃんとお祝いした日だって、トウ マは優しかった。
もう、あの女の件は忘れられるかもって 気がしたのに……。
全部、全部、演技だった」
「…………」
「演じるの、うますぎるよ……。
今まで才能認められなかったのがウソみ たい。
……でももう、CMの関係者と寝て夢が 叶ったから、私のことは必要ないんだっ て……。
使い捨ての電池みたいだね、私」


