幸せまでの距離


終始マイペースだったカナデもメイの返した言葉に腹を立てたらしく、

「何も知らないクセに、トウマのこと悪く言わないでよ!!」

と、それまでの陽気な表情を一変させ、大声で怒鳴った。

今はまだ入学式前。

個々に過ごしていた辺りの生徒たちの視線が、メイ達に向かっていっせいに注がれる。

メイが到着した頃より生徒の数が増えているからか、周囲の視線も割増している。


「……うざいなぁ」

メイはカナデに言った。

専門学校に入り、手に職をつけて注目されたいという思いはあったが、こんなところで注目されても嬉しくないし、むしろ迷惑。

まだ入学式すら迎えてないのに面倒な女と関わってしまった……と、メイはうんざりした。