その夜、星崎家に一本の電話があった。
相手は今井。
電話に出たのはミズキだった。
そばにはメイもいる。
『樋口と話し合いました。
星崎さん。子猫達が見つかったら、あの 子達の世話をお願いできますか?
もし、面倒を見るのが無理でしたら、見 つかり次第、私が引き取りにいきます』
「その必要はありません」
ミズキは穏やかに言った。
「隠しててすみません。
猫は、少し前に保護していて、ウチにい るんです。
黙っててすみません……」
『そうでしたか……!』
今井は驚きを隠せないようだったが、心 底安心したようだった。
『私も、星崎さんにウソをついてしまい ました。
それに、樋口とのゴタゴタに巻き込んで しまったのも本当です。
すみません……』
「かまいません。
猫を飼わせてもらえるのなら、私達はそ れで充分なので。
ありがとうございます」
『そう言っていただけると助かります。
後日、改めてそちらにうかがいますね。
失礼します』
ミズキ達は、白猫の飼育を正式に許され た。
もう、樋口に「横取りした!」などと、 言われずに済む。
電話の内容を知ったメイも、喜んだ。
「堂々と飼い主を名乗っていいんだ ね……!」
今後は、樋口の監視を気にすることな く、子猫達をのびのび育ててあげられ る。
部屋に閉じ込め、隠す必要もない。
もう少し大きくなったら、自由に行動さ せてやろう、と、メイは思った。
シェルを助けられなかったのは後悔極ま りないが、子猫達は大切にする。
メイは、他でもない、自分にそう誓っ た。
樋口が改心したのかどうかは分からない が、彼には二度と同じことを繰り返さな いでほしいと願うばかりだ。
明後日から、専門学校のイベントにも参 加しなくてはならない。
今夜、ミズキとメイは、子猫達と共に、 親猫・シェルのそばで夜を明かすことに した。


