生きたいのに、生きるのはこんなにも苦 しい。
そう思わずにはいられなかった。
メイは正座したまま前かがみになり、両 腕を枕にして床に顔を伏せる。
「刑務所に入って赦(ゆる)される罪な んて、この世には、きっとない。
他人の人生に害を与えた人間が、心入れ 替えて何かしたところで、罪滅ぼしには ならない。
私もそう……。
両親みたいな人間にだけはなりたくな いって思ってたのに、私はいつの間にか リョウを傷つけて。
なのに、今、普通に息をしてる。
どうしたらいいの……?」
何を言っても、ミズキは自分をののしら ない。
メイにはそれが分かっている。
分かるだけに、つらかった。
ミズキはメイの背中をなでる。
「……メイに罪があるというのなら、私 にも罪はある。
リョウの内心を見抜けなかった。
死にたいほど思いつめていたのに、助け てあげられなかった。
……だから、決めてるの。
どんなにつらくても、悲しくても、親よ り先に死ぬことはしない。
私は、何にも負けない強い人間になるん だ!って……。
『何があっても、人は生きていける』
そう思える人が増えるように、私は臨床 心理士を目指してる」


