幸せまでの距離


話しながら歩いているうちに、星崎家に 着いた。

家族はすでに帰宅しているらしい。

まるでメイを待っているかのように、窓 からあたたかい蛍光灯の光が漏れてい る。

メイは家の合鍵をポケットの中から取り 出し、夜空をまとった二階建ての自宅を 見上げた。

「自分でこんなこと言いたくないけど、 私の場合は特例だと思う。

リョウが死んだこと……。ミズキの家族 だから、許してくれた。

でも、本当は、責められなかったことが 今でも痛い。

私の過去と引き換えに許されたことが納 得できなかったし、こわかったし、養子 の話が出た時も信じられなかった。

もちろん、私は望んでこの家の子になっ たけど、今も時々、夢を見てるんじゃな いかって疑う……。

それなら、リョウを追い詰めたことをの のしってもらった方が…顔面が腫れるま で殴られた方がまだ良かった」

「メイ……」

「じゃなきゃ、私は自分のしたことを忘 れてしまう……!

甘い対応され続けたら、もっと幸せにな りたいって図々しく願ってしまう。

そのうち昔の自分が顔を出して、樋口み たいな大人になるかもしれない……!」