幸せまでの距離


“メイを捨てるように自分の罪から逃げ た時、おじさんは何とも思わなかった の……!?”

リクの思考を遮断したのは、メイのつぶ やきだった。

「捕まった犯罪者は、刑務所入って、自 分の罪に見合った年数をそこで過ごす。

刑期を終えたら、日常生活に戻ってく る。

それって、本当の償いって言える?」

「え……?」

「リクもそうだろうけど、たいていの人 は普通、そう考えてる。

『刑期を終えたら犯罪者じゃなく、一般 人と同じになる』

刑務所出た犯罪者は、過去を忘れて新し い自分になって生き直したいって言った りする。

でも、コンピュータじゃないんだから、 人間の気持ちはそんな簡単に切り替えら れない。

現に、ほとんどの人は、前科のある人に 冷たいし、厳しい目を向ける」

「……メイは、どう思う?

刑期を終えることが違うとしたら、本当 の償いって何だろう?」

「『償う』って、過去を悔やみ、自分の したことに苦しみながら、何が起きても 歯を食いしばって今を生きる。

そういうことなのかもね……」