幸せまでの距離


メイだけでは道を切り開けなかったけれ ど、リクとショウマに相談することで打 開策が生まれそうだった。

「樋口って人、早く見つけた方が良さそ うだね。

猫が危ない」

ショウマは言い、樋口の名刺を見つめ る。

リクは、影で猫探しを手伝ったことをメ イには隠しているので、今井と面識があ り彼に星崎家までの道案内をしたことも 秘密にしたが、

「今井さんに、電話してみたら?

樋口さんに連絡するより、何とかなるか も」

と、メイに提案した。

「……うん。こうしてるよりはいいね。

……今井に電話してみる」

名刺に書いてある今井のケータイ番号 に、メイは電話をかけた。

意外にも、今井はメイからの電話にすぐ 出てくれたし、メイの知りたかった樋口 宅の場所も、好意的に受け答えしてくれ た。

『樋口はいま仕事に行ってるけど、鍵を かけずに家を留守にするヤツなんだ。

だから、シェ…猫も助け出せると思う』

どういうわけか、今井は今日仕事を休ん でいるらしく、これから、メイ達を樋口 の家まで案内すると申し出た。

『……もう、逃げない。

樋口に、これ以上好き勝手させないか ら』

電話を切る直前、今井は確かにそう言っ た。

メイはそれを気にしつつも、ショウマや リクと共に、今井がここに来てくれるの を待った。

今井との待ち合わせ場所は、いまメイ達 のいるコンビニに決まったのだ。