幸せまでの距離




メイが樋口宅に向かってから数分後。

マナの家には、シュンの誕生日を祝うべ く、彼の友人がたくさんやってきた。

現在通っている大学の仲間だけでなく、 高校時代のクラスメイトまで来ているの で、まるで同窓会である。

最初は1人2人ずつの訪問で静かだった が、じょじょに人数が増え、家の中は自 然とにぎやかになってきた。

ナナセやカズの友達、マナやミズキの サークル仲間も来ていて、一目見ただけ では何の集まりなのかが分からない。


予定通りの参加者が集まった頃、リクと ショウマもマナ宅に着いた。

二人の到着は、他のメンバー達よりやや 遅れ気味で、それというのも、ショウマ の寝坊が原因だった。

マナの家に向かう途中、リクはショウマ とこんな話をしていた。

「ショウマ、今日のことあんなに楽しみ にしてたのに、寝坊するなんて思わな かった」

責めるつもりではなく、不思議に思って の発言だった。

これから楽しいイベントに参加するとは 思えないほど、ショウマは険しい顔を し、

「昨日、いろいろあってさ……。は あ……」

と、大きなため息をつき、それ以上何も 言わなかった。

“何か嫌なことでもあったのかな?

今は、何も聞かない方がいいかも”

憂鬱そうなショウマを見て、リクは普段 通りに接しようと思った。


二人がマナ宅に着くと、玄関先には案内 役のカズがいた。

彼と共に、リク達はみんなのいる客室へ 通された。

ショウマの様子がおかしいのは気がかり だが、リクは無意識のうちにメイとの再 会を楽しみにし、内心とても浮かれてい た。

だが、案内された広い部屋に入ってもメ イの姿はなくて、リクは思わず周囲を キョロキョロ見渡してしまった。

視界に入るのは知らない顔ばかりで、居 るはずのメイを見つけられない……。

リクは少し不安になった。

不機嫌そうだったショウマもさすがにそ れに気付き、

「メイちゃん、まだ来てないの?

てか、違う部屋にいるとか?」

と、まだ近くにいたカズに尋ねた。