翌日の朝、メイとミズキはマナの家に向 かった。
シュンの誕生日会は昼過ぎからマナ宅で 行われるが、ケーキや料理、遊び道具の 準備をしなくてはならないため、シュン 以外のメンバーは早めに集まることに なっていた。
とはいっても、二人と一緒に来るはず だったナナセは、大学の都合で、昼過ぎ に到着することになっている。
誕生日会のことを知ったシュンは、自分 も手伝いたいと何度か申し出たそうだ が、主役に裏作業をやらせるわけにはい かないということで、納得してもらい、 話はまとまった。
早朝に家を出たからか、メイ達は一番最 初にマナ宅に到着した。
この辺りでも大きな庭付きの一軒家。
ミズキやリクの家も人が住むのに不自由 ないスペースがあるが、それよりも大き な家にマナが住んでいるとは。
インターホンを押すミズキの指先を見な がら、メイはそんなことを考えていた。
“マナさんに対しては、私に近い「何 か」を感じてたけど、やっぱり、全然違 う……”
メイは自分の過去に引きずりこまれそう になったが、家の中から応答があったの で、意識はおのずと外面に向いた。
二人を出向かえるべく、まだ寝起きだっ たマナが眠そうな顔で玄関に出てきて、 Tシャツにハーフパンツの格好で二人を ダイニングまで案内した。
すでに仕事に行ったらしく、マナの両親 の姿はなかった。
「ごめん、すぐ着替えてくるから」
そう言い残して自室に向かうマナを見送 り、ミズキとメイはひと足先に用意され ていた材料で調理を始めた。
予定通り、ミズキは料理の仕込み、メイ はケーキ作りを担当する。
遅れて準備に加わったマナも、途中から 二人の補佐役に回った。
ケーキ用の粉を振るいにかけるメイのそ ばに行き、
「メイ、前より自然な手つきになった ね」
ミズキはメイの手際をほめた。
「同じようなこと、毎日学校でやらされ るから」
平らな声で返したが、メイの横顔はどこ か嬉しそうだった。
「私には、何もできないと思ってた。
ミズキのおかげだよ」
「ふふっ。メイの努力なのに」
和やかな会話をより柔らかくするよう に、二人の居るダイニングには春の日差 しが射していた。
マナも、安心したように二人を見やる。


