今井自身には自覚がなかったが、彼は女 性受けする容姿をしていたので、積極的 に話をしなくても合コンの席でもっとも 人気を得ていた。
どうやって召集されたメンバーなのかは 分からないが、どうやら今井の友人達の 知人つながりであることは間違いなさそ うだった。
女子大生もいれば、就職している女の子 も参加している。
最初はみんな、出会い目的で集まったは ずなのに、雰囲気は楽しい飲み会へと変 わっていた。
今井は久しぶりに、光を感じた気がし た。
ここのところ、自分の外側を見ていな かった気がする……。
マユミと別れたと思っていた今井は、ア パートに戻ればまた独りなのを想像し、 いまこうして楽しむことに専念した。
何人かの女性に話しかけられ、それなり に会話を楽しんだが、最終的にはその中 の一人と仲良くなった。
その相手は、看護師として働いているそ うで、今井が無理をしていることも見透 かしていた、と、言った。
「もともと、そういうとこはあったんだ けど、元気のない人見ると、放っておけ なくなるんだよね」
今井は、その女性の言葉に気を許し、彼 女を自宅に連れていった。
いかがわしい目的で家に呼んだわけでは なく、もう少し話をしたかっただけなの だが、最終的には彼女と性行為をした。
彼女は優しく、今井の話を聞いてくれ た。
マユミを失い、自分には何も残されてい ない……。
無責任に命を葬(ほうむ)った、罪深い 人間……。
自分の胸に大きな穴を感じていた今井 は、看護師の彼女とセックスすること で、それを埋めようとした。
堕(お)ちた自分を地の底から救い出す かのように、何度も何度も、彼女を抱い た。
ここのところ否定し続けていた、自分の 性欲。
男性として生きることの意味。
それを解放するのは幸せなことだと、改 めて知った気がした。


