「任せて下さい。
妹は猫が好きなので、もし見つけられた ら、大切に育てます」
ミズキは言い、微笑んだ。
今井は胸を撫で下ろし、
「お願いします。
星崎さんが猫を見つけて下さった場合 は、私が樋口を説得しますので、安心し て下さい。
長居して申し訳ありません。
また何かあったら、連絡ください」
と、言い、玄関の扉を開け、明るい表情 で星崎家を後にした。
ミズキはあえて、すでに子猫を保護して いるということを今井に話さなかった。
話そうと思えば話せたが、今井が真の意 味で強くなったのかどうか、目には見え なかったから。
今井は前向きなことを言っていたが、い まだに樋口を恐れ、彼に気を遣っている フシがある。
なにかの拍子で、今のプラス思考が崩さ れても不思議ではない。
今井と話せて良かったと思う反面、ミズ キは樋口という男に警戒心が強まるばか りだった。
その後ミズキはリクに電話し、今井の訪 問や、彼と話したことを報告した。
すると、驚いたことに、リクは今井に 会ったかもしれないと言った。
『さっき猫探してたら、その人にミズキ ちゃんちの場所聞かれたよ。
スーツ着てたし、多分、今井さんって人 に間違いない!』
リクが今井のことを知っているなら話は 早い。
「親猫は、樋口さんの元に帰ったみた い」
『そっか……。今井さんに子猫を引き 取ってもらえたのは良かったけど、親猫 はそれでいいのかな?』
こんな形で猫探しを終えることに、リク は納得がいっていないようたが、今井の 訪問に関しては素直に喜んでいた。
「ありがとう、リク君。
おかげでメイは、子猫達と暮らせること になった。
樋口さんのことは安心できないけど、今 井さんにも協力してもらって、良い方向 に行くようにがんばってみよ?」
リクだけでなく、ミズキは自分自身に向 かってそう言っていた。


