里親ネット。
それは、主にパソコン用のホームページ で運営されている。
ホームページを管理する者は、里親ネッ トだと分かるようなホームページを作 り、掲示板を設け、そこで『動物を売り たい人』と『ペットを飼いたい人』を交 流・交渉させる。
そういったサイトは、何らかの事情で ペットを手放さなければならない飼い主 やペットを飼い始めたいと考える人に人 気があり、日々、サイト上で多くの出会 いが生まれている。
中には、金銭が絡まない、無料で動物を 受け渡せる里親ネットもあるが、金銭目 的で捨てられた動物を売りさばく人間も いる。
『里親ネット』と聞くと、一見、動物思 いの優しい活動場所に見えるが、金銭が 絡むだけに留まらず、良からぬ目的で ホームページを訪れる者もいる。
中には、虐待や殺し目的で動物を引き取 ろうとする人間もいるのだ。
実際、里親ネットには、そういったトラ ブル報告も寄せられている。
ニュースでも話題になったことのある、 動画サイトへ投稿された動物虐待映像。
『人間は殺せないけど、動物ならいいだ ろう』と、安易な気持ちで動物を殺し、 衝撃的な映像を不特定多数に見せる、卑 劣な行為。
大多数の人が『悪』と定義するその言動 を楽しんでいる人間がいるのも、事実。
顔の見えないホームページ上のやり取り だけで動物の行く末を決める、里親ネッ ト。
たった一度の交渉で動物を引き渡す飼い 主が多いのも、トラブルの元となる。
今井が言うには、樋口はそういうサイト で子猫を高く売るつもりだそうだ。
「今、樋口の元には、私が譲った親猫し かいません。
子猫は、私が買い取りました」
今、ミズキの家にいない親猫1匹と子猫 1匹。
今井はそのことを話す。
「里親ネットに、悪い人ばかりが張り付 いているとは思いません。
それだけ人気のホームページとあれば、 動物好きの人も多いんでしょう。
でも、万が一、あの子が虐待目的の人の 手に渡ったら…と考えたら、いてもたっ てもいられませんでした……!」


