「うわ、やられたっ」
と、ショウマはわざと右手の指先をおでこにやり、おおげさ過ぎるため息をつき、
「からかうつもりが、ノロケで返り討ちにあった」
「ノロケっ? そんなつもりないって!」
リクは声を裏返し顔を赤くする。
ショウマはフッと寂しげな笑みを見せ、言った。
「メイちゃんは幸せだな」
「かなあ? だといいんだけど……」
リクは自信なさげにうつむく。
ショウマはリクの肩をポンポンと叩き、
「そんな情けない顔しないで、自信持ったら?
よく『恋は盲目(もうもく)』って言うけど、真理だよね。夢中になりすぎると相手の良いトコしか見えなかったりして。
けど、リクはそんな感じじゃないし」
ショウマは、メイの良い部分だけではなく悪いところもひっくるめて好きだと言えるリクの気持ちこそ、本物の恋だと思った。
リクは笑顔を取り戻すと、
「メイから悪い部分消したら、メイじゃなくなるし!」
と、元気に言い放つ。
「だな! ……っていうわけで、メイちゃんに会いに行こっか!
リクが来るの待ってんでしょ? どこ?」
どんなわけなのか分からないが、ショウマはなぜか、リクと共にメイに会いに行く気満々だ。


