幸せまでの距離


メイとリクは同じ気持ちのはずだし、

春休み中、たしかにそうだと確かめたはず。

でも、付き合っているのかどうか分からない。微妙な関係。

今までに何回か、リクの方からそういう話を持ちかけようとしたこともあったが、メイは違う話題を出したり早歩きをしたりして雰囲気を壊していた。

今より一歩進んだ仲になりたいと願っているリクにとって、メイのその様子は、まるでリクとの関係を深めたくないという無言のアピールにも感じられた。


ショウマはリクの気持ちを察してか、

「『両想いだけどまだ付き合ってない』ってやつ?」

と、やや心配そうに尋ねる。

「うん、そう」

リクはしんみりした空気にならないよう気を使い、軽く笑ってみせる。

ショウマは喜びと呆れが混じった表情でため息をつき、

「また、無理してるだろ」

「ははは……」

「相手の気持ち分かってるなら、もっと強引にいってもイイんじゃない?

向こうも案外、リクから言ってくれるの待ってるのかもよ。

まあ、わざわざ『付き合お』って口約束しなくても付き合いが始まってる、って場合もあるだろうけど」

「うーん……。どうかなぁ?

メイとは昔からの付き合いなんだけど、いまだに分かんないこともあるし……」

「へえ。メイちゃんていうんだ」

ショウマは目をキラキラさせる。

『リクの好きな女の子』に興味を示したようだ。