幸せまでの距離


その日の夕方。

午後の授業を終えたショウマとリクは、 いつもの道を帰ろうとしていた。

「シュン君の誕生日会、あさってだ なぁ」

「やっぱり、俺、今回は行くのやめよう と思う」

リクが言うと、ショウマはそれに反対し た。

「やっぱり、リクはそう言うと思った」

「え?」

「別れたのを忘れろとは言わないけど、 メイちゃんには、そういうのにこだわら ず接した方がいいんじゃない?

ただでさえ壁があるのに、こっちから壁 を分厚くしてどうするの」

「痛いとこ突くな、もう……」

ショウマの指摘にリクは肩を落とした が、図星なので言い返せない。

「猫探しだけで満足するようなリクじゃ ないだろ?」

「うん……! そうだね!

俺も、シュン君の誕生日会に行 く……!」

昼間アカネにもらった言葉が、リクの中 に息づいていた。

この世に生まれてこられたのが8%の奇 跡と言うならば、メイと通じ合える可能 性はそれより低くて当たり前なのかもし れない。

だからと言ってそれを悲観せず、メイと 出会えた奇跡に感謝して、限りなく0% に近い二人の可能性を100まで引き上 げてみせよう。

リクは意気込んだ。


メイを救える可能性。

二人で紡ぐ明るい未来の可能性。

それらを、決してゼロにはしないと誓っ て。