学食はセルフサービス式。
出入口付近に積まれたトレイを手にする と、二人は食べたい物を適当に選びレジ で会計を済ませ、窓際のテーブル席に向 かい合う形で座った。
リクが猫について一通り話し終えると同 時に、ショウマは緑茶を飲み干す。
「知り合った頃から、リクって母親ぽい なぁと思ってたけど、そのワケが分かっ た」
「母親!?」
予想外のことを言われ、リクは目を丸く する。
「リクって、アカネちゃんにも優しくし てたじゃん?
いちいちあのコのメールに返信したりし てさ。
最初は、そんなのやばくない?って心配 になるだけだったけど、リクって、長年 メイちゃんを守ってきたから、そういう 風になったんだろなって」
「メイはいつも、困ってたしね……。
昔から、放っておけなかった。
特に、死にたいって言われた時は、も う、絶対メイから目を離したらダメだっ て思ったんだ」
メイは自身の環境に苦しみ、リクに自分 を殺してほしいと頼んだことがある。
まだ、去年のことだ。
メイの家庭環境は変わったけれど、彼女 の傷は残ったまま……。
「でも、俺だけが助けたいって思って も、メイには伝わらない。
だったら、メイから求められるような人 にならないといけないから」
“男に生まれてきた時点で、もう、メイ を助けるのは難しいのかもしれない。
でも、あきらめてたまるか……!”
「もう二度と付き合うことはできないか もしれないけど、メイを助けるためな ら、何だってする」
リクは決意を口にすることで、自分を奮 い起こした。


