幸せまでの距離


その日は一日中、イベントに向けての準 備や練習で授業が進められることになっ ている。

近頃メイは、猫のことばかりに気が注が れすっかり忘れていたが、ゴールデンウ イークにはデパート主催のスイーツ販売 イベントがある。

学校ぐるみの行事なので、よほどの事情 がない限り休むわけにはいかない。

メイとカナデはバイト先の店長にバイト に入れると言ってしまったが、専門学校 のイベントを理由に、やむを得ずゴール デンウイーク中の出勤を断ることになっ てしまった。

昼休み、二人はそれぞれ店長に電話を し、そのことを伝えた。

「すいません、ちゃんと確認せずに入る なんて言って……」

カナデが謝ると、店長は残念そうにしな がらも、

『そればっかりは、しょうがないなぁ。 前にも、製菓専門学校に通ってるコいた からわかるし。

早めに言ってもらえて良かった。

でも、これからは気をつけてね』

と、事情を理解してくれたが、メイは複 雑な気分になる。

早く稼ぎたいのに、自分の確認不足のせ いでみすみすその機会を逃してしまった から……。

カナデは楽天的に、

「ま、バイトより学校のイベント優先す るのはしょうがないし」

と、働く日にちにこだわっていないよう だが、メイは違った。

休日手当のつくゴールデンウイークに働 けないのは、厳しい。

平日は学校があるので、普通にしている と土日に働くのが精一杯である。

専門学校では毎日やることが多く、サボ ろうものなら卒業できなくなってしま う。