あらかじめミズキに指示されていた通 り、リクは星崎家の庭に周り込み、縁側 のそばにある大きめのカゴの中に、そっ と子猫を入れた。
カゴは昨夜ミズキが用意した物らしく、 中には子猫用のエサが入った器が置かれ ている。
猫達がいつ帰ってきてもいいように、ミ ズキやメイはこうしておいたのだろう。
移動中、しきりに鳴いていた子猫は、カ ゴの中で食事を口にし安心したのか、腹 を満たすと次々とまどろみはじめる。
「ははっ。もう、寝ちゃった。
猫って夜行性らしいって聞いたけど、ホ ントなんだな」
すでに頭上にある太陽を背にリクは思わ ず笑みを浮かべ、目をつむって気持ち良 さそうに寝そべる子猫の頬を指先で軽く なでた。
いつまでも見ていたいくらい、猫達は愛 くるしい。
“白い猫って、珍しいよなぁ。
にしても、和む~”
遅刻した身でいつまでもこうしているわ けにはいかないと分かってはいるが、こ の短時間のうちに情が移ったのか、リク はなかなかその場を動くことができな い。


