幸せまでの距離


女性は怪訝(けげん)な顔でリクを見つ め、

「あなたは?」

「あ、いきなりすいませんっ」

リクは謝り、急(せ)く気持ちを抑えて 女性に事情を話した。

「いま、このあたりで友達の白猫を探し てたんですけど、全然見つからなくて。

そしたら、偶然ここから鳴き声が聞こえ てきたんで、もしかしてって思っ て……」

「白い猫を探してたの?

……もしかしたら、この子達のことじゃ ないかしら」

女性の手にある段ボール箱の中には、3 匹の白い子猫がうずくまっていた。

中をのぞいてリクは目を見開き、

「多分、この猫です!

でも、どうしてこの家に?」

ミズキの話から察するに、猫は外をさ 迷っているはず。

だが、そんなリクの考えは少し違ってい たようだ。

「それは、こっちも知りたいわねぇ」

女性は段ボール箱をリクに渡し、困惑気 味に言った。

「今朝になっていきなり、この子達はウ チにいたのよ。

しかも、旦那の仕事部屋にある仮眠用 ベッドの中で寝てたの。

鳴き声がして、変だなぁと思って見てみ たら……。ビックリよ。

ウチの旦那、生まれた時から持病があっ てね、主治医の先生に、動物に触るのは 極力避けるようにって言われてるのよ。

今までこんなことなかったから、本当に 驚いたわ……。

まあ、仕事部屋の窓を開けっ放しにして おいた旦那も悪いんだけどね」

「そうですか、そんなことが……」