幸せまでの距離


東の空が白み、小鳥のさえずりが聞こえ る頃、リクは星崎家の前に到着した。

ここへ来るのはそんなに久しぶりのこと ではないのに、メイと別れてから色々な ことがあったせいか、リクは懐かしさの 中に寂しさをにじませたような感覚を覚 えた。

ミズキ達はまだ寝ているのであろう。

ついている明かりは玄関先の外灯のみ で、家の中の人々が活動している気配も ない。

それは近所の人も同じなのか、周囲の住 宅からも、わずかな物音がするだけだっ た。

昨夜、電話を終えた後、ミズキから送ら れてきたケータイの画像を頼りに、リク はおもむろに足を進めた。

これは、飼い主・樋口が置いていった写 真をミズキがケータイのカメラで写した もの。

“ミズキちゃんが言うには、メイになつ いてたのは、子猫4匹と親猫1匹だった よな”

親猫の画像しかないのが心もとないが、 白猫親子を見つけられるよう、リクは周 囲に目をこらし、一歩一歩を踏み締める ように歩いた。

道端はもちろん、歩道に沿って設置され た植木の中や、公園の花壇なども念入り に探していく。