リクが早起きしたのは、樋口より先に猫 を探したかったからだが、それだけでは ない。
自分が猫探しに関わったことを、メイに 気付かれたくなかったのだ。
もしそれがメイにバレた時、それを手助 けしたミズキ本人はメイに全て正直に話 すと言っていたが、リクの心情は違う。
“メイは、俺を遠ざけたくて、別れた いって言ってきたんだ。
それなのに、猫探しに俺が絡んでるって 知っちゃったら、もし猫を育てられるよ うになった時、メイを複雑な気持ちにさ せるかもしれない”
リクとしては、出来ることなら自分が協 力したことは伏せ、もし自分が猫を見つ けられた場合も、猫は偶然見つかったと いうことにしておきたい。
メイに、余計な心的負担をかけたくな かった。
“昔は分からなかったけど、今は、分か る。
メイが、俺を避ける理由が……”
今まで、メイのために出来ることなど何 もなかった。
でも、こうして、メイが大切にしている 猫探しに力をかしてあげられる。
それがたとえ、一生人目につかない舞台 裏の出来事で終わるのだとしても、かま わない。
“メイが幸せになるなら、何だってする からな……!”


