昨夜リクはミズキから電話を受け、こん な頼み事をされた。
『時間に余裕のある時だけでかまわない から、ウチの近くにいる猫達を探してほ しい。
メイが大切にしている猫なの。
私達ももちろん探すよ。
でも、良ければリク君にも手伝ってほし くて……』
メイにそんな大切な存在の動物がいたな んて……。
幼なじみなのに何も知らなかった……と いうショックもあったが、リクは快くそ れを引き受けたのだった。
メイを支えるために、彼は何でもしたい と思っている。
口に出さないけれど、ミズキも、リクと メイの別れに納得していない者の一人 だ。
メイとリクがうまくいくようにと考え、 リクにそんな電話をしたのだろう。
リクにもそれを感じ取れた。
今日リクが早起きしたのは、猫を探すた め。
ミズキの話によると、樋口と名乗る飼い 主は、仕事の昼休みを利用して猫を探し ているそうなので、大学の授業が終わっ た後に探していては、手遅れになる可能 性もある。
しかも、樋口は、猫達が星崎家に出入り しているということを知ってしまった。
そこまで分かっているから、リクが向か う先はひとつ。
自分の学校へは向かわず、メイとミズキ の自宅・星崎家を目指した。
運が良ければ、その周辺で猫を見つけら れるはず。


