やはり、白猫達は捨てられた動物だった のだ……。
日に日に汚れていく猫達の体毛を見てや る瀬ない気持ちになったが、メイは彼ら を育てるためにバイトを見つけてきた。
「生半可な気持ちじゃない。
必ず大事に育てるから、私に、猫達 を……」
「猫、達……?」
メイの言葉を受け、樋口はみるみる目を 見開き、思案顔をした。
アゴに生えかけたザラザラする短いヒゲ を指先でさすりつつ、樋口は言った。
「やっぱりアイツ、子猫産んだんだ な!」
「やっぱり?」
ミズキが聞き返す。
「いやね、アイツ、ウチに居た時は身篭 (みごも)ってたんですよ」
急に滑らかに話し出す樋口は、再び玄関 先に腰を下ろした。
「正直、子供が出来るなんて思ってな かったんですよ。
でも、どっかで作ってきたんでしょう ね。
とても子猫の世話まではできないから、 生まれる前に殺処分してもらおうかと 思ってたんですが……」
「なっ……。お腹に子猫がいるのに、保 健所に連れていくつもりだったんです か!?」
不愉快なあまり、ミズキは責めるような 口調になる。
樋口はそれをはぐらかすようにハハハと 笑い、
「そんな怖い顔しないで下さい。
いま、考えが変わりましたから。
友人達に、子猫をあげようと思います」
メイの頼みはスルーされた。
「でも、今、殺処分するって言ってな かった?
本当に友達にあげる気なの?」
メイは苛立たしげにそう尋ねる。


