翌日の昼過ぎ。
今日、学校が休みで本当によかった。
今朝、ここに泊まったメイを送り出した 後、カナデは自室で二度寝をし、太陽の 位置が南を過ぎる今になって目を覚まし た。
本当なら、二度寝などせずトウマに会い に行こうかと思っていたのだが、そんな ささやかな計画は、メイと入れ替わるよ うに帰宅した両親により、あっけなく 散った。
帰宅後両親は、家政婦から留守中の報告 を受けていた。
カナデにとっては慣れた光景だったが、 今朝はいつもと違っていた。
カナデは母親と仲が良く、母というよ り、歳の離れた姉のようなノリで話す間 柄である。
母は、昨夜メイが泊まったことを家政婦 から聞いたらしく、カナデに新しい友達 が出来たことを喜んでいた。
そこまではよかったのだが、母はこんな ことを口にした。
「カナデ、昨日お酒飲んでたらしいじゃ ない」
家政婦は、玄関口でカナデを迎えるな り、彼女からアルコール臭を感じたらし く、その件もキッチリ母に報告したよう だ。
「ごめん、ちょっと盛り上がっちゃっ て」
「そういうの私にも経験あるからダメと は言えないけど、出来るなら二十歳にな るまで控えなさい?」
母は存外穏やかに言った。
「もしかして、昨日、途中までトウマ君 も一緒だったの?」
「違うよっ。メイちゃんの友達が働いて る居酒屋に行ったの。メイちゃんと」
カナデはとっさに、そんなウソをついて しまう。
たしかにメイの友達・メグルは居酒屋勤 務だが、カナデはメグルと仲良くはない し、彼女の職場に飲みに行きたいとも思 わない。
そして、母のことは好きだが、トウマと の交際を悪く言われるようになってから は、素直に彼の話をさらけ出せないでい た。


