幸せまでの距離


メイはメグルからの電話を気にして、こ う口にする。

「あれだけ責め立ててたメグルに対して も、あっさり引き下がったもんね、アン タは」

「トウマと別れてくれたからね。

それに、メイちゃんが話聞いてくれたか ら、楽になったのかも」

彼女の健気さを示すように、カナデは愛 らしい微笑を見せ、

「トウマのこと、嫌いになれたら楽なん だろうな。

でも、どう考えても、好きなんだよね。

離れるなんて、きっと、無理。

こうやって一人で悩むのもキツイけど、 トウマと別れることを想像してみたらつ らすぎて。

トウマの気持ち、全部はわからないけ ど、私はトウマと一緒にいたいと思うん だよね。

トウマが他の女になびいたこと、私にも 原因あるんだろうから、もう同じ失敗を 繰り返さないように気をつけながら、 ね」

カナデの思いに、メイは圧倒されてい た。

“どうして、そこまでトウマを好きでい られるの……?”

カナデの想いはすでに恋ではなく、愛の 域に達しているのだろうか。

“私はリクに、そこまで強い想いを抱け なかった。

それ以前の問題……。

深い関係になるのを、避けてた。

リョウの時だって、そう。

うまく打ち解けられなかった……”

一途に人を愛せるカナデは、やはり自分 とは違う世界の人間。

メイはそう感じてならなかった。