大理石で造られた玄関先に通され、メイ は目をしばたかせた。
生駒家専属の家政婦が、二人を出迎え る。
カナデは適当に家政婦を追い払うと、
「部屋、行こ」
と、メイを自室に案内した。
長い廊下は、洗練された木の匂いで充満 している。
クラスメイトの家というより、別荘や旅館に来ている 気分だな、と、メイは思った。
エレベーターに乗り、2階に到着。
案内されるがまま、メイはカナデの部屋 に通された。
圧倒される室内の広さに、メイは思わず ため息を漏らす。
学習机や本棚。音楽機器。テレビ。ベッ ド。
必要最低限の物は全て置いあるのに、軽 くバドミントンなどをやっても問題ない くらい、スペースは余っていた。
「疲れた? はい」
カナデはクローゼット内に備え付けられ た冷蔵庫からペットボトルの水を出しメ イに渡すと、彼女をソファーに座らせ た。
「メイちゃんは、隣の客室適当に使っ て?
置いてある物はここのと変わらないし、 遠慮しないで、何でも好きに使っていい から」
カナデはそう言ったが、メイは首を横に 振りそれを拒む。
ただでさえ一人で寝るのは苦手なのに、 こんなに広い客室を用意されても困る。
絶対、落ち着いて眠れない。
「私、寝なくてもいいから」
さすがに、一人で眠ることができないと は言えず、メイはそんなウソで乗り切ろ うとした。
「そんなのダメだよ。
ちゃんと寝ないと!
なんなら、この部屋で一緒に寝る?」


