幸せまでの距離


カナデはカナデで、トウマの夢を応援す ることに疲れ、泣いたこともあった。

メイはこの瞬間、そういった切ない出来 事を想起せずにはいられなかったが、目 の前で歓喜している男女二人に惹かれる ものもある。

カナデとトウマがこんなにも明るいのは アルコールのせいだけではないと、飲酒 しないメイにも感じ取れた。

「わかった……」

写真は嫌で仕方ないが、それ以外に断る 理由もなく、メイは二人に混じり写真を 撮ることにした。

三人は肩を寄せ合う。

カナデを真ん中に、隅にいたトウマが自 分達に向けてシャッターを数回切った。

ポラロイドカメラからは、続々と人数分 以上の写真が出てくる。

メイは、トウマから渡された写真に視線 を落とした。

ここ最近あった悲しい出来事などなかっ たかのように、三人の顔は晴れ渡ってい る。

カナデとトウマが爽やかな表情なのは理 解できる。

しかしメイは、自分までもが明るい表情 をしているのが意外で、思わず目をむい た。