幸せまでの距離


メグルからの電話を切り、メイは小さく 息をついた。

快活なメグルとは思えない、どこかよそ よそしい話し方だったのが気になる。

“過ぎたことをいつまでも気にするなん て、メグルらしくない。

カナデと何かあったワケでもなさそうだ し……”

メイはしばらく考えていたが、

「メイちゃーん!

ちょっと来て!」

カナデに呼ばれたので、メイは部屋に 戻った。

「みんなで写真撮ろうよ!」

トウマの私物、ポラロイドカメラを片手 に、カナデはメイの腕を引っ張る。

「今日はお祝いのために集まったんだか ら、みんなでこの喜びを写真に残しとき たいの!」

「バイト受かったくらいで、写真なんか 撮る?

しかも、この少人数で?」

写真嫌いなメイはそう言い逃げようとし たが、上機嫌のカナデは強引にメイを 誘った。

「だって、私メイちゃんとバイトするの 楽しみだもん!

それに、トウマの夢が叶ったんだよ?

舞台出演、しかも主人公格だよ?」

「メイちゃん、一緒に撮ろう?」

トウマも、メイを引き込もうとした。

トウマの念願が叶い、カナデは幸せそう だ。

メイは今まで、一ヶ月近く彼女と同じ学 校に通っているが、こんなカナデの表情 は見たことがない。